猫と分子栄養学。

猫エイズ対策にできること。

免疫と洗剤。

自律神経は交感神経と副交感神経の2つで構成されており、内臓の機能を調節し内臓からの情報を中枢神経系に伝える。

このうち交感神経が優位になると、顆粒球が増える。

顆粒球とは白血球の中で約6割程度存在する好中球、好酸球、好塩基球のこと。

この3種類の内、90~95%を好中球が占める。

好中球は異物(細菌や真菌など比較的大きいもの)を貪食したり、自ら作った活性酸素によって異物をやっつける。

つまり好中球が過剰になると活性酸素も過剰になってしまう。

さらに好中球はサイトカインを産生するので新たに好中球を増やしてしまい悪循環に陥る。

 

ストレスが加わるとアドレナリンやコルチゾール、ノルアドレナリンなどのストレスホルモンの分泌が増えて交感神経が優位になる。

猫にとってのストレスは、洗剤や柔軟剤、芳香剤、消臭剤、農薬やノミ避けの薬にワクチンなどの化学物質、騒音(首輪の鈴も)、気温差、電磁波や病院、住環境の変化など様々ある。

コルチゾールはマクロファージやNK細胞も抑制してしまうから、交感神経が優位になっている時まともに機能できるのは顆粒球だけなのかもしれない。

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本来猫の交感神経が優位になるのは、縄張り争いや狩りをするとき。

ケンカや狩りでケガを負えば、傷口から感染症にかかるかもしれない。

交感神経が優位になって好中球が増えるということは、そういったケンカなどに備えた免疫と言える。

好中球は歩兵のような免疫で、初動がはやくがむしゃらに異物を貪食する。

でもリンパ球とは連携しないので獲得免疫にはつながらない。

だから好中球は免疫のメインにはならない。

 

交感神経が優位になってもいいのは猫が狩りに費やしていたせいぜい6~8時間くらいまで。

だけど室内飼いの猫は狩りやケンカによる感染症のリスクはほとんどない。


一方で副交感神経が優位になるとリンパ球(ウイルスや腫瘍細胞などを担当)が増える。

リンパ球にはNK細胞(ナチュラルキラー細胞)、T細胞、B細胞がある。

NK細胞は異物や感染細胞を排除する。

T細胞には、指示を出すヘルパーT細胞、異物や感染細胞を排除するキラーT細胞、ストッパーの役割の制御性T細胞の3種類がある。

またリンパ球が増えれば粘膜での分泌物が増えて免疫グロブリンAの活動も高まる。

だから顆粒球(好中球)が増えるより、リンパ球が増えた方がウイルス感染に備えたり、腫瘍細胞を減らすことができる。


このことから不用意に交感神経を優位にしないことは、家で過ごす猫にとっては重要。

環境ストレスはできる限り排除したい。

なかでも抗原となる洗濯洗剤や柔軟剤、芳香剤、消臭剤などはすぐに取り組める。

猫エイズウイルスはリンパ球の中の抗原提示をしたヘルパーT細胞に入り込んで増殖していくから、環境的なストレスを除外することは猫エイズキャリアにとっては最優先事項になる。

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合成界面活性剤やマイクロカプセルを使用していない洗濯洗剤、柔軟剤、消臭剤、シャンプーやボディーソープを使うこと。

柔軟仕上げ剤に使用されたマイクロカプセルは、洗濯物に付着して空気中でカプセルが破れることにより香りを放ちますが、同時にカプセル壁剤であるプラスチック原料が環境中に飛び散る恐れがあります。たとえば、マイクロカプセル壁剤がポリウレタンの場合には、イソシアネートという極めて危険な物質が環境中に放出される可能性があります。

環境中に放出されたマイクロカプセルは、マイクロプラスチックと同様、降雨などにより河川を通じて海に流入し、土壌にも残留します。また空気中に浮遊し、体内に入り人体に悪影響を及ぼすことが懸念されます。

目下、世界のマイクロカプセル市場は、医薬品や農薬など広い分野に及び、家庭用品への使用も拡大しています。医薬品などやむを得ない場合を除き、家庭用品へのマイクロカプセル使用は、土壌や海、空気、人体のプラスチック汚染をさらに深刻化する恐れがあることから、即刻禁止すべきです。

特定非営利活動法人 日本消費者連盟 「【緊急提言】G20に向け 家庭用品へのマイクロカプセルの使用禁止を求める緊急提言(2019年5月10日)」より引用

https://nishoren.net/new-information/11328

 

酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)で洗濯すれば、猫にも人間にも環境にも優しくて洗濯槽もきれい。

スーパーや薬局などどこでも手に入るけど、成分は過炭酸ナトリウムだけのものがいい。

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おもちゃや毛布ももちろん洗える。

 

軽い汚れにはマグネシウムペレットを使ってみたり。

マグネシウムペレットは市販のものだと量が少ないから自作がいい。

 

交感神経が優位になることはもちろん必要なこと。

運動不足や肥満は副交感神経を優位にさせるから、抗原があればアレルギーを誘発することもある。

だけど交感神経ばかり優位にならないように、身の回りの化学物質に気をつけたい。

免疫賦活のサプリをあげるより、本来持つ免疫を低下させないこと。

自律神経を狂わせない環境を整えたい。