猫と分子栄養学。

猫エイズ対策にできること。

猫と精油と解毒機能。

猫は脂溶性毒物の解毒作用が弱いから(グルクロン酸抱合)、精油は使わない方がいい。

肝臓で行われるこの解毒機能(グルクロン酸抱合)が猫は弱い。

猫はグルクロン酸抱合酵素の中でも異物代謝を担う遺伝子(UTG1A6)を失ってしまったから。

肉食動物は植物をたくさん摂り入れる必要がないから失ったのかもしれない。

獲物となる鳥や野ネズミなど草食動物や雑食動物は持つ解毒作用なので、捕食しても間接的に脂溶性毒物を摂り入れてしまう可能性は低い。


体内に入った脂溶性の毒物(薬物や化学物質を含む)は、体外に排出するために水溶性を高めなければならない。

水溶性を高める為には2段階の反応を経て水溶性の毒物に変化させるけど、グルクロン酸転移酵素はその2段階目に必要。

1段階目でも毒性は弱まるけど、水溶性にならないと尿細管で再吸収されてしまい、血液にのり再び体内を巡ってしまう。

もちろん他にも水溶性を高める酵素はあるのだけど、グルクロン酸転移酵素での解毒が1番多いといわれている。

だからその酵素を持っていない猫は、脂溶性毒物の解毒(薬物代謝)が弱くなってしまい、脂溶性である精油は負担となってしまう。


「肝毒性の強いセージ以外は使用しても安全である」という説も見受けられたけど、そもそも脂溶性毒物は全般代謝されにくいので使わない方が無難。

精油は脂溶性であり、植物を濃縮したものだから肉食の猫には適していない。

健康なカラダを作るのは、精油ではなくストレスの少ない環境、良質な栄養と睡眠だ。


猫の嗅覚は人間の数万倍~数十万倍と言われている。

猫の鼻の粘膜は非常に面積が広く、たくさんの精油の分子を血中に取り込んでしまう。

人間が心地よく感じる精油の香りであっても、猫には強すぎてストレスになる可能性が非常に高い。

人間にとってどんなに素晴らしい香りであっても、嗅覚の強い猫にとっては不快なのではないだろうか。

もし猫が喜んでいるようにみえたとしても、その体内には代謝されない精油(脂溶性毒物)が排出できずに蓄積していく。

脂溶性毒物は体内の脂肪に蓄積しやすく、毒物の反応は急性だけではない。

普通に生活していても、避けきれない化学物質(柔軟剤や洗剤などを含む様々なもの)は多い。

家電製品や家具の難燃剤(素材を燃えにくくする薬剤)として使われるポリ臭素化ジフェニルエーテルは、猫の甲状腺機能亢進症との関連性が強く疑われている。

だから余計なものはプラスしない方がいい。

猫エイズキャリアなら特に避けたい。

f:id:siam-cobu:20200730104905j:image

精油が大好きでずっと家で焚いていたけど、猫と暮らすようになってから、香りのつくものは極力室内では使わないようにしている。

(洗剤やシャンプー、入浴剤など。)