猫と分子栄養学。

猫エイズ対策にできること。

生肉食と免疫力。

猫の主食の肉は、加熱調理することで水分にアミノ酸、ビタミンやミネラルなど様々な栄養素が失われてしまう。

下の表には手羽先を煮た場合の栄養素の変化が書いてある。

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財団法人 日本食肉消費統合センター

「役に立つ調理前後の栄養分析」より引用。

http://www.jmi.or.jp/publication/publication_detail.php?id=115

唯一カルシウムだけは増えているんだけど、ほとんどの栄養素が減ってしまう。

アミノ酸は平均20%前後、ミネラルは平均40%弱、ビタミンは平均50%程度の損失。

これらの栄養素が免疫において果たす役割を考えると、損なわずに栄養が摂れる生肉食を取り入れることは、猫の免疫にとても重要だと思う。


水分

体内の水分の1/3は細胞外液となり、血液やリンパ液として体内を巡る。

水分不足で血流が悪いと、酸素や栄養が充分に行き渡らない。

残りの2/3を占める「細胞内液」は細胞の中でエネルギー生産やタンパク質合成、ホルモン分泌などに関わる。

生肉には電解質(カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル)を含んだ水分(生肉由来の細胞内液)があり、生肉を食べることで吸収しやすい形の水分摂取ができる。

本来猫は獲物から大部分の水分を補給していた。

これは水を飲むこととカラダへの吸収が違う。

もし生肉に抵抗があれば、ボーンブロススープなども吸収の良い水分補給ができる。


グルタミン

アミノ酸の中でも免疫に大きく関わるグルタミン。

腸の粘膜細胞のエネルギー源であり、腸壁の修復にも重要。

さらに免疫細胞もグルタミンをエネルギーとしている。

⚪︎ T細胞(抗原を攻撃するキラーT細胞や、指示を出すヘルパーT細胞)

⚪︎ B細胞(抗体を産生、抗原を捕捉して抗体で無毒化、またその抗原を記憶)

⚪︎ マクロファージ(抗原や死んだ細胞を貪食、抗原提示)

⚪︎ 好中球(抗原を貪食)

⚪︎ 樹状細胞(抗原提示、T細胞の活性化)

など、多くの免疫細胞がその活動の為にグルタミンを必要とする。

加熱に弱いこのアミノ酸は必要量が非常に多く、特に手術後や大きなストレスを受けたときには体内での合成量では不足することが多い。

もし現状のフード(ドライフードや、加熱されたウェットフード)を変えても腸の不調がある場合には、サプリでの摂取が必要となる。

siam-cobu.info

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ビタミンB1

腸管にある免疫細胞が集まる場所「パイエル板」はB1の欠乏により小さくなってしまう。

すると居場所が減ってしまった免疫細胞は腸管に留まることができず、ウイルス(や細菌)が侵入しても戦うことができず、全身の免疫細胞にウイルスの情報を伝えることもできなくなってしまう。

パイエル板は腸管関連リンパ組織の構成要素の1つであり、腸内細菌など腸管内物質に対する免疫応答の制御に関わっている。小腸の粘膜固有層の中に数十個から数百個のリンパ小節が平面的に集合したもので、扁桃やリンパ節ほど器官としては分化していない。リンパ球が多数集合しており、その中のB細胞の一部はプラズマ細胞に分化して、免疫グロブリンの中でも主としてIgAを産生している。

Wikipediaより引用


ビタミンB2

ウイルス(や細菌)の侵入しやすい粘膜や皮膚などの健康維持、抗体産生にも関与する。

豚肉からはビタミンB1、内臓肉からはビタミンB1、B2共に摂取できるが、加熱すると流れ出してしまう為、鮮度や衛生面で可能な限り、生食が理想的。

またビタミンB1は糖質の代謝に必要となる為、ドライフードが主食であればそちらでも浪費する為、必要量が多くなる。

 

少量ではあるけど、生肉や内臓肉にはビタミンCも含まれる。

ビタミンC

強力な抗酸化作用があり、同じく抗酸化作用のあるビタミンEを還元する。

コラーゲンの生成に関わり、癌細胞の転移を抑制する。

腸内環境を整えて白血球を強化する。


生の肉や内臓肉を取り入れることらで、猫の免疫力は高まる。

発酵野菜やグリーントライプなどをプラスすれば、腸内環境を整えることでさらに免疫力は高まる。

猫が本来得られる獲物(野ネズミや小鳥、昆虫類など)に近い食事内容が実現できたら、本来の免疫力を発揮できるということ。

生肉をドライフードに少し混ぜるだけでも、ドライフードをウェットフードに変えるだけでも病気のリスクを下げて健康な姿に近づけることができる。

食べることは生きること。

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明日も健やかに過ごせますように。