即時型アレルギーが起こる原因に「ヒスタミン」がある。
体内に異物(アレルゲン)が入ったときに作られる抗体(igE)は、皮膚や気道や腸壁にあるマスト細胞で待機する。
再び同じ異物が入ってきてマスト細胞上の抗体と結合すると、ヒスタミンなどの化学物質が放出されてアレルギーが起きる。
(痒みや皮膚炎、鼻水、くしゃみ、、結膜の充血や喘息など。)
これらは異物が入って15〜30分程度で起こる即時型アレルギーだ。
異物は食物、薬物、花粉やハウスダストなど様々ある。
ヒスタミンは猫の必須アミノ酸であるヒスチジンから産生されてマスト細胞に蓄積していく。
マグロやカツオ、肉、乳製品、大豆製品などに多く含まれていて、不足すると貧血になってしまうことがある。
抗酸化作用があり、インスリン分泌亢進作用も報告されている。
アレルギーだからといって必須アミノ酸であるヒスチジンの摂取を控えることはできない。
アレルギーを起こす異物(アレルゲン)を特定できれば、それを取り除けば良い。特定できなければヒスタミンを体外に放出する「ナイアシン」や、抗ヒスタミン作用がある「ビタミンC」を摂取することで即時型アレルギーは出にくくなる。
ビタミンC産生が低下していたり(老化や体質)、ストレスの増加や体内静電気の影響で必要量が増えていることがあるので、非酸性(酸っぱくない)のビタミンCのサプリを食事やおやつに追加する。
目安は1000㎎前後が良い。
さまざまな研究から、特別なケースを除けば、1日あたり犬で1,500〜8000ミリグラム(サイズに応じて)、猫では250〜1500ミリグラムを与えることを勧めます。
本村伸子「ペットを病気にしない」 宝島社新書 100頁より引用
ビタミンCは過剰(腸耐性容量)になれば下痢をするけど、しゃむぞう・コブちゃん共に1000㎎/日 程度では下痢になったことはない。
結構使われているというか、意外と足りていないということ。
アスコルビン酸ナトリウムは酸っぱくないので、食事にふりかけても猫が食べてくれやすい。
ナトリウムなので塩分が含まれるが、少ないので許容範囲。
California Gold Nutrition Buffered Gold C 緩衝ゴールドC 非酸性ビタミンC粉末 アスコルビン酸Na 238g 8 40オンス |
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これくらいなら1年以上使える。
開封したら酸化しないように気をつける。
一緒に飼い主も摂れば健康的。ビタミンCは人間もぜんぜん足りていない。
個体差はあるけれど、くしゃみや鼻水、結膜の痒みなどにはビタミンC が効く。
一方ナイアシンはマグロやカツオ、肉と 、内臓肉(肝臓や腎臓、心臓)に多く含まれる。
本来ヒスチジンが多い食物にはその作用をカバーするナイアシンも含まれていることが多いのだが、加工や調理によって流出しやすい。
そして水溶性ビタミンであることから余剰分は尿と共に排泄されてしまう。
だから定期的に摂取する必要がある。
内臓肉を生で与えることが難しければ、サプリを食事やおやつに追加する。
ナイアシンを満たすことは、エネルギー産生や抗酸化作用、脂肪酸やステロイドの生合成にも効果がある。
ステロイドはアレルギーの原因になるigEの働きを抑制するので、さらにアレルギーは抑えられる。
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ナイアシンは他のビタミンB群と共に働くので、一緒に摂ることで効率的に効果が得られる。
サプリなら1カプセルの1/2程度を1日2回で様子を見てみる。
蕁麻疹や皮膚の痒みには、ナイアシンを含むビタミンB群が効果がある印象だ。
このサプリは値段が手頃で質が良い。
基本的に日本よりアメリカのサプリの方が質が良い。
政府機関によるGMP(品質保証規範)を取得した工場で生産したものしか流通できず、全てのメーカーが製品安全性に対する保障義務があるからだ。
サプリ大国で各メーカー競合しているから値段も手頃。
ペット用サプリは品質のわりに値段が高いので、アメリカのメーカーの子ども用や大人用の1/10量を目安にを使っている。
ビタミンBは匂いが強いので、ペースト状のおやつ(「猫ぴゅーれ」や「ちゅ〜る」など)に混ぜてあげると食べてくれやすい。
「猫ぴゅーれ」のカツオ味は匂いが強めでサプリを誤魔化しやすい。
添加物もなく多少の水分補給もできるので重宝している。
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ビタミンCや、ナイアシンを含むB群は水溶性の為に過剰になりにくく、危険性はほとんどない。
アレルギーの症状に悩みながらもなかなかアレルゲンが特定できない場合はこれらのビタミンをサプリで補ってみる。
総合栄養食は万能ではなく、自然食を用意していても、肉や魚や野菜の栄養素は昔より減っている。
必要なビタミンやミネラルは、個体差があり、猫エイズキャリアには特にたくさん必要。
食べムラがあり偏食なコブちゃんにもサプリが必要。
でもそんなにたくさんは必要ない。
まずは食性にあった食事から、きちんと栄養を摂る。
体質や環境によって、サプリで栄養を補う。
アレルギーの原因をしっかり考えて、それでもダメなら必要なの薬は使う。
必要な薬は、使う前に副反応などきちんと確認する。
知らない分からないではなく、しっかり調べて納得のいく治療を。
大切な家族が、明日も健やかに過ごせますように。