猫と分子栄養学。

猫エイズ対策にできること。

カリカリと歯石。

しゃむぞうの奥歯に大きな歯石があったので、歯石について考えてみた。

 

歯垢と唾液中のリン・カルシウムが結びつき石灰化したものが、歯石です。

歯石の表面はザラザラとしており、その上にさらに歯垢がつきやすくなる。

そして口内環境や食事内容に変化がなければ歯石はどんどん大きくなってしまう。

 

猫の口内はアルカリ性。

食事をしても唾液にアミラーゼ(炭水化物消化酵素)の分泌がなく、人間のように口内が酸性になることがない。

 

口内は酸性下で脱灰し、アルカリ性下では石灰化がすすむ。

つまり猫の口内では脱灰はなく、石灰化だけが繰り返されるので歯石がつきやすいということです。

 

歯垢がつかないように歯磨きをするというより、歯垢がつきやすい食事自体に問題があるんじゃないかと思う。

以前飼い主が糖質制限をしていたとき、食後の口内に粘つきや歯の表面のザラつきは全くなかったのです。

肉、魚、葉物野菜を中心に食べていて糖質の多い調味料なども摂らないようにしていました。

スーパー糖質制限みたいなものだ。

スーパー糖質制限は肉食動物の食事に近い。

糖質のない肉食動物本来の食事内容なら、歯垢はつきにくく歯石にもなりにくのではないかと思う。

 

野生の肉食動物は骨をかじることで歯みがき効果があるという。

確かに毎回骨つき肉をガリガリしていたら歯垢が取れるかもしれない。

獣医さんから、カリカリに歯みがき効果があると言われたことがあるけど、カリカリの半分近くは炭水化物です。

炭水化物は糖質と食物繊維からできていてビスケットみたいなものだ。

人間の場合は固めのビスケットを食べても歯はきれいにならない。

どうして猫の場合はカリカリで歯みがき効果が得られるというのか理解ができなかった。

 

それでもカリカリは便利だ。

傷みにくくて置いておけるから、飼い主が不在でも猫は好きなときに食べられる。

栄養素基準を満たしているならなんとなく安心だし、非常時にはよいかもしれない。

飼主からしたらとても便利だ。

 

でもカリカリの便利さ・お手軽さ・見かけだけの安心と引き換えに、しゃむぞうの身体に大きな負担を与えてしまったことが本当に悔やまれます。

人間は一生カロリーメイトだけでは生きていけないのに、猫にはキャットフード、特にカリカリな印象を持ってしまうのはテレビなどのすり込みだったのかもしれない。

 

3年前のしゃむぞうは、外でネズミやモグラを食べていたからか、健康的でむちむちしていた。

完全室内飼いになってカリカリ中心の食生活が口内炎を悪化させてしまったのだと思います。

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ねこにとっても食べることは大きな楽しみではないかと思います。

便利さや思い込みにとらわれず、大切なことを見極められるようにならなければいけないと強く思います。